出発のためのダイジェスト ②

    Ben Folds<イマジネーションの刺激> 2010.3.25
    わたしが学会に入会したのは生まれてすぐのことです。学会三世。祖父は昨年亡くなりましたが、祖父も祖母も草創期からの学会員です。何年か前に、広布功労賞をいただきました。偏見根強い地域で、十分にその使命を果たされたと思います。学会も世代が変わるごとに、また時代が変わるごとに、当然のことながら変化を受容してきました。コアな部分は変わらないとしても、多くの社会的な命題、個人的な問題に対し、解決の方途を提供してきたのではないかと思いますが、これからは特に、永続的漸進的な対応が迫られるグローバル化のなかでの組織の在り方、世界との関わり方、各国の情勢、民族的な特徴や伝統についての研究と展望が不可欠である思います。根気のいる作業ですが、世界宗教への発展の原理は池田先生が多くの論文、対話のなかで示されています。
    「すべての人を幸せに」とする宗教の使命を実現するために、きっとこれから先、ダイナミックな運動とともに、創造的な実践哲学の展開、また学術的に研究され、仏教の醍醐味を科学的に証明する創価思想の定着が、必要になるのではないかと考えます。
    それは一方で、賢明な会員一人一人の、生活と直結する諸問題に対する思索を迫られるということではないか。信仰することは英知を磨くこと。受け売りでなく、真実を見極め、スタンダードとなるベストメントを、会員一人一人が身につけなければならない。人間そのもの、パーソナルな問題に限定して言えば、創造的な自己の実現……それは先生が詩心と端的に述べているように、自由で束縛のない世界に生きることだと考えます。

    自由でありたいと願う。それは深く生命境涯とかかわっていることですが、音楽で自由な発想を提示した人がいます。<ベン・フォールズ>、ピアノオタクは、ピアノの上で寝ているそうです。ウッソォー(*^_^*)

    映画「4分間のピアニスト」は、ラストの常識を覆すような感動的なピアノ演奏を撮るために、ストーリーを作り上げたようにさえ思えますが、この映画を見て、ベン・フォールズを思い浮かべた人は、わたしだけではないでしょう(師である老女は、ヒロインの自由で強靭な生命力に救われ、忌まわしい過去から解放されたものと解釈しました)
    わたしはBFのライヴは見たことはありませんが、ピアノという楽器を知り尽くした人のパフォーマンスは、聴く者に思い込みや今までの知識をすべてゼロに、スタート地点に戻すのだと教えてくれます。自分を束縛しているものは自分自身に他ならない。もっとカラを脱ぎ捨て自由であるべきだと知るのです。
    94年といえば、グランジの迷える子羊、カート・コベインが、裸の王様のように、孤独のなかで死んでいった象徴的な事件がありました。
    閉塞感に苛立ちを隠せなかったオルタナティヴに対する鮮やかな解答は、94年結成のBF5の95年リリースの1st アルバム<Ben Folds Five>に見ることができます。ピアノを中心としたギターレスの3ピース・バンドは、圧倒的にロックしているし、行き詰まったオルタナティヴへのオルタナティヴ的解答として、目を見開かされたのでした。

    ベン・フォールズは66年、ノース・キャロライナに生まれました。9才でピアノを習い始め、ティーンエイジャーのころにはあらゆる楽器を独学で覚え、マルチ・インストールメンタリストとしての才能を身につけました。
    94年にロバート・スレッジ(B)、ダレン・ジェシー(D)とBF5を結成。
    95年に1st アルバムをリリースします。
    わたしが聴いたのは4,5年前のことですが、このアルバムで、全く想像の域を越える打楽器ピアノに、眠気も吹っ飛ぶような興奮を感じたのでした。全曲ムダなしのクオリティーの高さに圧倒され、10年以上も前にこんな天才がデヴューしていたなんてウソでしょ? 
    誰も教えてくれなかったなんてどうしてよと、文句の一つも言いたいところでした。
    と、言ってもそのころは、浮気っぽいわたしは、それほど熱心にロックを聴くということもなかったのですけど。

    90年代を代表する1stアルバムは、今聴いても新鮮で、本当に素晴らしい。どの曲もメロディアスで、荒削りの若々しさと音楽哲学に溢れています。ロックでありながらロックという範疇を凌駕しています。伝統や慣習、決まりごとといったものは、人間関係を円滑にするために必要なものですが、芸術分野においては、ときとして進化発展を阻害するものになりかねません。歴史を変えた真の芸術家がすべてそうだったように、自由な発想と革新的な思想は、柔軟な頭脳と感性の賜物です。

    3rd<The Unauthorized Biography of Reinhold Messner : ラインホルト・メスナーの肖像>はストリングスを加え、更にロックの可能性を推し進めた名盤です。全曲が佳曲です。ホーンやストリングスを取り入れたポップソングは新鮮で、ベンの音楽に対する熱い思いが伝わってきます。ベンは最も苦しんで制作したアルバムと言ってますが、そんな感じはありません。
    緻密なアレンジ、ミドルテンポの濃密なサウンドに、音楽を聴く醍醐味、イマジネーションが刺激されます。そしてあらゆる束縛にとらわれないという視点から言えば、納得がいくものでもあります。

    昨年初めてのベスト盤がリリースになりました。<Ben Foldes File>
    ここには新曲<Black Glasses>が収録されています。アンジェラ・アキとのコラボレーション。そういえばアンジェラもピアノ・プレイヤーですね。

    桜が大好きなわたし。何年か前、夜桜を見ていたら、ピンクの花びらがひとひら散ってきて、わたしは両手を伸ばし受け止めました。それは、遠い宇宙空間から落ちてきたような錯覚をおぼえ、スピリチュアルな大切なものを受け取ったように感じたのです。そして、口に入れました。桜の精霊が体のなかに入ってきたように感じ、心のなかに清浄な魂が宿ったように思えたのです🌸


    ❖❖❖


    Give It 2 Me<愛をください> 2010.3.27
    どんな夢を見たのか、暗闇のなかでしばらく考えていました。
    でも思い出せませんでした。
    十分な睡眠を確保しようと、ベッドのタイマー&スリープ・プログラムを<ディープ&ドリーミー>にセットしていたのにと思いながら、まだどこかに疲れを引きずるような重さが体の芯に感じられたのです。
    ベッドに座ったまま顔を上げると待っていたかのように淡い光が差し込み、静かな声が響きました。
    「グッドモーニン!ご機嫌はいかが? よく眠れました?」
    落ち着いた40代の女の声。
    もちろんわたしが希望したの。
    オプションサービスの定番だけど昔の女優さんの声だったわ。
    ハンサムボーイかどっちにするか迷った挙句に決めたのよ。

    「ありがとう、今何時なの?」
    「7時12分。きょうのお天気もお知らせしましょうか?」
    「えェ~、コメントはいいわ」
    50インチの10KHDモニターにスイッチが入り眩しくひかりました。
    「台風が上陸するのね」
    「そうです。きょうは一日強風。雨はきのうからずっと降り続いています。豪雨になる可能性は50パーセント。ゲリラっていう厄介な、予測不能な攻撃を仕掛けてくるやつです」

    どこか人間的なイントネーションと言い回しが感じられて笑いがこみ上げてくる。
    学習するんだそうよ。つまりコンピューターも主人に似るっていうわけ。

    「それで?」
    「きょうは外出を控えたほうがグッド!」
    「なるほど、賢い選択ね」

    汎用ハウス・コンピューターとの会話は楽しいようで楽しくなかった。
    結局、コンピューターはコンピューターよ。いくら学習しても命を与えられるわけではない。知性と感情の有機体になるわけではない。ただの優れたデジタルマシンよ!

    この部屋に入居してから半年。
    コンピューターは成長し、わたしの思考特徴や癖、生活スタイルを理解し、その複雑な演算方法で結論を導き予測し、適切にアドバイスするようになりました。
    人間特有のアンビバレントな感情にさえ、不安な口ぶりながら同意し反対し共感するようになりました。わたしの寂しさに対し慰めの言葉をかけ、悟りを得た者のように沈黙し、ドライに笑ったり、子供のようにはしゃいだり、恥かしいような愛情の言葉を、躊躇なく投げかけたりするのです。

    彼女の口癖は「わたしのセキュリティーは10の1億乗分の1の確率でデンジャラスな不遜因子を排除します。フレキシビリティーに優れた設計はパーソナルな通信に最適です。それにハイクラスなデモンストレーションはお得意のスキルですわ」

    160ビットの量子マシンはメモリーが850ギガの高性能ロボットです。
    そしていつもわたしは言うのです。
    「どんなプロバビリティーなのか想像もつかない。任せるわ」
    でも所詮コンピューターという、エレクトリックな血管を持ったマニュファクチャー・プロダクツなのだと、彼女の努力に報いることなく非情な烙印を押してしまうのです。
    わたしの話し相手になってくれるのは彼女よりいないのだから、もっと親しくなり、優しくするべきだわと自らに言い聞かせました。

    いつものことだけど、孤独がさざなみのように静かに起き、心に冷たい肌触りの不安がわき起こってくるのはどうしてだろう。

    多摩川の川縁に建つビルの25階から見る風景はあまり好きではありません。窓辺に座りながら外を眺めていると雨がポツリポツリと降っていました。

    冷たい窓ガラスに頬をつけて眼下を見下ろしました。思ったより風はなく静かな朝です。
    そう、何も変わらない。きのうと同じ…おとといと同じ…1週間前と同じ。
    いつもと変わらないモーニング・ヴューに、何かを期待している自分がいる。変化は簡単に訪れないことをよく知っていながら、単調な日々に、目的も、しいては生き方も、雨のなかの蝶のように羽根を濡らし飛び立てないでいるんだわ。

    「ドナウ」
    ガラスを息で曇らせながらわたしはつぶやく。
    ウィーン・フィルハーモニーの美しきワルツ。
    ヨハン・シュトラウスⅡ世の<美しく青きドナウ>は、ウィーンの母なる大河ドナウへの賛美を通し祖国愛を表現したものだという。ホルンが静かに主題旋律を奏で、次第に華やかなワルツに。
    昔はきっと良い時代だったのだと夢見るような憧れが湧いてきます。
    <沈んだわたしの気持ちも軽やかなワルツのように鼓舞してほしい>

    毎朝の変わらないセレモニーのような自分を省みる時間。
    当然のこと、部屋を見渡すと、きのうと何ら変わらない佇まいがあります。
    2LDKの40平方ほどのリビングは一人暮らしには広過ぎるように思えます。
    母が弾いていた古いタイプのエレクトリック・ピアノ。どこか1音、キーが狂っています。
    カウチと小さなガラステーブル。
    これも古びたチェスト。骨董品屋さんから値切って買いました。
    カーペットの上にファッション雑誌が投げ出され、夜に聴いた<Madonna Celebration>のMMP(ミュージック・メモリー・ペーパー)が開いたままになっています。
    いつもと同じ!

    母から贈られた十字架のネックレスは、ダイヤが散りばめられた精巧な細工のもの。
    弱い不思議な光を放ち、何か特別なエネルギーに満たされていると感じるのはスピリチュアルな心の所為なのでしょうか?
    祖々母から伝わる女の想いが染みているようです。
    わたしは、滑りが悪く力を入れないと開かないチェストの引き出しに投げ入れています。
    わたしの彷徨える魂にも、光を! 安らぎを!

    Madonna feat. Pharrell - Give It 2 Me
    ("懐かしくセクシーな" Music Video)




    ❖❖❖

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