Against the Wind

    faf-01.jpg19世紀末、アイルランドの農家の主が地主へのデモに巻き込まれ死亡する。敵を討つべく単身屋敷に乗り込む無鉄砲な息子だが、そこで美しい娘と出会い、いつしか二人は自らの土地を手にいれるためすべてを捨て遠い国へ旅立つ。開拓時代のアメリカを舞台に、移民してきた二人の愛と夢を美しい映像と共に詩的豊かに描き、忘れられたアメリカン・ドリームを彷彿させるサクセス・ロマン。

    監督 ロン・ハワード
    出演 トム・クルーズ、ニコール・キッドマン
    音楽 ジョン・ウィリアムズ
    主題歌 “Book of Days”: enya

    世間知らずの勝気なお嬢様が、一途に逞しく自分の人生を切り開いていく。ニコール・キッドマン演ずるシャノンの姿にわたしの姿を重ね合わせて、くよくよしたって始まらない、何とかなるさと励まされる。 痛快に生きよう、ぶち当たって考えればいいさ。それが若者の特権ではないかしらとドリーミンな妄想をいだいて、安定志向と戦わない傍観者的ひ弱な精神などくそくらえ(汚い言葉でお許しを!)などと意気込む。

    サクセス・ストーリーがそう簡単に手に入るわけではないことはよく承知しています。でも諦めないで夢を追いかけたほうが、ずっ~とおもしろいに違いない。お金なんて何とかなるさ。ボロを着てても一向にかまわない。女だってガッツなスピリットが1番大切なのだ。自分の人生は自分でつかむ。誰かを頼りにしたってなんになろう。

    でもそんな強がりを言いながら、世間に無知なわたしは自分のことを理解してくれる恋人が傍にいてくれたら、100%信頼してくれる人がいてくれたら、どんなに心強いことだろうと思うのです。苦労も厭わないのにと考えるのです。踊り子だってやるわよ。

    女の幸せは男次第か?  男の幸せは女次第か?  いずれにしろ良き伴侶に出会うことが人生の方向を半ば決定づけると、パンク娘を自認するわたしでさえ知っているのです。
    わたしのダーリンはわたしに相応しい人なのだろうか?  感情に溺れてはなりませんね。

    父親のLPコレクションを漁っていたら、1枚のアルバムが目に留まりました。
    奔馬の如く/ボブ・シーガー&ザ・シルバー・バレット・バンド。



    野生のきらめきと美しさで駆ける駿馬。たて髪が風に揺れ、飛沫を上げて走り抜ける姿が水面に映り、生き生きとした一瞬をとらえている。ポエティカルな想像力を刺激するアルバム・ジャケットに惹かれたのです。

    <遥かなる大地へ>のラスト・シーンのランドレースを思い出します。

    ボブ・シーガー11枚目のアルバム。80年のリリース。68年にデヴューし、すでに確固としたキャリアを積んでいます。アルバムは美しいジャケとともに彼のディスコグラフィーのなかで一つのピークを示すものです。

    アメリカン・ロックンロールの王道をいく風格と男くさい哀愁がブレンドされ、わたしの瞳はホの字になるわ。ワイルドでシンプル、落ち着いていて静かな佇まい。でも内面は熱く、深い味わいを感じさせます。カントリーティストのロックンロールが大好き!

    このアルバムにはゲストとしてグレン・フライ、ドン・ヘンリー、ティモシー・シュミットなどのイーグルスの面々、ドクター・ジョンなどが参加しています。この顔ぶれを見ただけで彼の音楽性と立つ位置がわかるというものです。

    79年リリースのイーグルス<ロング・ラン>から
    最初のスマッシュ・ヒットとなった<ハートエイク・トゥナイト/Heartache Tonight>はドン・ヘンリー、グレン・フライ、J.D.サウザーとの共作です。



    Bob Seger & the Silver Bullet Band<Against the Wind>
    タイトル・ナンバー。名曲です。

    Seems like yesterday
    まるで昨日のように思えるけど
    But it was long ago
    もう遠い昔のこと
    Janie was lovely, she was the queen of my nights
    ジェニー、素敵だったよ 彼女は夜の女王だった
    There in the darkness with the radio playing low
    暗闇のなかに低く流れるラジオの音
    And the secrets that we shared
    二人で分かち合った秘密
    The mountains that we moved
    いくつもの山を越え
    Caught like a wildfire out of control
    止まることのない山火事のように
    Till there was nothing left to burn and nothing left to prove
    すべてを燃えつくし すべてを確かめ合った
    And I remember what she said to me
    そしてお前は俺に誓ったね
    How she swore that it never would end
    二人の愛には終わりはないと
    I remember how she held me oh so tight
    そうして強く抱きしめてくれた
    Wish I didn't know now what I didn't know then
    あの頃知らなかったことを 今も知らないままでいたかった
    Against the wind
    風に向かって
    We were running against the wind
    風に向かって 俺たちは走った
    We were young and strong, we were running
    若くて強かった二人
    Against the wind
    風に向かって 走っていた
    ❖make a free translation : Anna


    音楽は峰をくだってきた清らかな風です
    何も思わず無心にその風に身をまかせると
    心が洗われたように清々しくなるのです
    確かな大地に立ったように答が得られるのです

    音楽は迷えるわたしの道標なのです
    時には流れに逆らう川魚のように
    冷たい風に向かい羽ばたく小鳥のように

    努力しても虚しくなるときもあるけど
    信じていたいだけ
    どこまでも可能性を
    いつまでもあきらめないで

    希望の一曲は何にもまして
    心のなかで
    反響するように
    共鳴するように響きわたり

    わたしに祝福のメッセージを与えてくれる
    わたしは勇気のメッセージを受けとるわ

    ロックの光に導かれて
    森に分け入って迷っても

    わたしはきっと見つける
    わたしが望んだときめきを

    人生ってスリルな毎日ね
    新しいことをやろうと思えば
    苦労もあるけど何もやらないよりマシよ

    満たされず  心の飢餓にあえいで  逡巡し
    悩んで  喚いて  言葉を失っても

    あなたが教えてくれた
    新しい始まりの場所へ

    あなたは心の広い人だってことはよくわかっていたわ
    だから
    風に向かって立ち
    風に向かって進んで
    太陽のように輝くロック・スピリットに出会うまで
    わたしは旅を続ける


    ルーツをたどれば、ロックンロールはアメリカを中心とした音楽文化。世界中の音楽が相対化されていくワールド・ミュージックの時代に、ロックンロールはポップ・ミュージックの一形態に過ぎないのかもしれないが、閉じた世界ではなく、異種交配を重ね、ミックスを経ながら進化してきました。価値観を書き換える音楽こそ、ロックンロールを形容するにふさわしい捉え方でしょう。リズムは深く民族の伝統音楽に根付いている。
    多様性としての折衷はルーツを遡りながら、複雑な混血主義を反映し、バラエティーに富む感情表現として拡大と変容を続けていくと考えるのです。ロックの躍動は、文化衝突のエネルギーを増大しつつ、ワールド・ミュージックの融合に向かって、そのスピードを加速し、未来になだれ込んでいくに違いありません。新しい音楽の、サウンド、バンドの形態、テクノロジー、ヴィジョン、すべてが深化のなかで、アートの主権を獲得していくことを念願します。ロックを補完していくものはロックよりありません。
    わたしを補完するものはわたしよりなく、あなたを補完し元気づけるものは、あなたの強い心よりありません。

    2010年11月25日の「アンナの日記」から)


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